小江戸温泉物語① ~俺に流れるサムライの血が、俺の身体を聖地に誘うのさ~
脈絡と流れるサムライの血に、うなされることがある。
「俺の斬〇刀は常時開放型か。いい加減に鎮まってくれないか。」
悠久の歴史の中で、散っていた歴戦の勇士の血のおかげで、
高校時代(※共学)に上裸で、教室の端から端まで駆け抜けたという噂が立っていたほどだ。
その姿はまさに、ケンタウルスだったと、美術と世界史の先生が言っていたらしい。
流れるサムライの血のせいかは分からないが、俺は和の心を忘れたことはない。
その証拠がコレだ。
のれんである。聖徳太子もびっくりするほど、和を以て貴しとしてる。
これが俺の屋敷にあるのだ。(よくお手拭きにされるけど)
とある夕暮れ、俺は煮えたぎるサムライの血に、あるイメージを重ねた。
皆も想像してみてほしい。
サムライの血のように、熱く、留まることを知らず溢れ続ける聖水。どんな屈強な男であっても、その香りや肌触りに耐えられないだろう。欲望のままにその身を委ねるのだ。
そうだ、銭湯に行こう。
(※画像はイメージなのです。)
話は変わるが、俺の祖先は、戦国最強と謳われた武田騎馬隊の先鋒を務めたらしい。
かしわもちの季節の鎧兜でしか見たことはないが、もう確かめる必要もないだろう。
俺は武田騎馬隊の先鋒と完全にシンクロしているからだ。
自分が自分自身であることを確かめたことがあるかい?
ないだろ?セニョリータ。鏡が何と言おうと、君のその美しさは君のものなんだよ。
まあ、それすら俺の物になってしまうのだが・・・無論、望んだことはない。
一瞬、おふろどうぐを持って行こうか悩んだが、それは徒労だと知る。
理由は2つある。(最初に結論を述べる重要性を俺は5歳の時から知っている。生まれついてのロジカリストなのだ。)
俺の甘美なフェロモンを増長させるシャンプーやボディーソープを公共の場所で使用することは危険だからだ。人類の平和を守り続けていた城壁の向こうの、聖地にまで、香りが届き、たちまちレイディたちが失神してしまうからだ。
そしてもう1つ。
師匠との約束を果たさねばならないからだ。その約束は、
『男は黙って札幌ビール』
出典:株式会社サッポロビール
たまに見せるこういうボケも、おなごからウケが良い。
あまり意識したことはないが、ボケの中に渋みがあるからだろう。
ボケというのは可愛いものだ。すなわち、甘い。
おなごはこぞって甘味が好きだが、そればかりでは飽きられてしまう。
だからこそ、渋く苦みの効いた抹茶を口にするのだろう。
男も同じだ。
強いコーヒーもいいけど、優しいミルクも素敵なのだ。
話が逸れた。
師匠は、「男は黙って手ブラでレレレ」と教えてくれた。
無論、師匠は赤いふんどしが最高にクールでポコな、あの方だ。
俺は手ブラに隠されている2つの意味をしっかりと理解している。
1つは荷物を持たず、両手は胸にそえるだけだ。ということ。
そして2つ。レレレであるが、言うまでもない。あのおじさんだ。
常人にはあの足の動きを再現するのは不可能だと言われている。
しかし、今の俺は音速の武田騎馬隊の先鋒だ。(馬乗ってるじゃんとか言わない)
両手を胸にそえ、音速でカニさん歩きをしながら、俺は聖地へと向かった・・・
向かう途中、おなごにその姿を何度か見られた。
恐らく俺のセンセーショナルなバディを見たかったんだろう。
察しの良い読者の皆さんはお分かりかと思うが、もちろん上裸だ。
だが、今の俺はカニだ。音速で歩くカニだ。 何人も俺を捉えることは出来ない。カモメ以外は。
おや、警官が来たようだ。
つづく♪
【編集後記】
前から小説を書いてみたいと思ってたんですよね。官能小説。